アミノ酸やペプチドではなく、プロテインを摂取するメリットを教えてください。プロテインは結局アミノ酸に分解されるのに何故プロテインが広く推奨されているのでしょうか?
プロテイン・ペプチド・アミノ酸の違いについて解説していきます。
違いは大きく3つあります。
①価格
②用途
③その他の栄養素
まず①について、代表的なゴールドスタンダード・プラチナハイドロホエイ・パープルラースの3つを比べてみます。
製品1kg当たりの価格はそれぞれ約2900円、4500円、7447円となります。(2019/3/28 iherb)
ゴールドスタンダードとパープルラースの価格差は2.5倍にもなります。(タンパク質のみで比べるともう少し価格差は縮まります)
かれだけ価格が違うと、この時点で単純な比較は難しいように思いますね。
②用途について
プロテインとアミノ酸では用途が異なります。
プロテインは基本的にタンパク質摂取量を確保するために用います。
トレーニーは一日に体重の2~3倍gのタンパク質摂取が必要とされています。
これを食事だけで満たすのは難しいため、追加でプロテインシェイクとして摂取することが推奨されます。
この場合はやはり、安いほうがいいためアミノ酸よりプロテインの方がよいでしょう。
一方でアミノ酸(BCAA・EAA)が効果を一番発揮するのは、トレーニング中~トレーニング直後。
トレーニングを行うことで筋肉を合成するシグナルが筋肉から発信されます。
このタイミングで素早く血中のアミノ酸濃度を高めることが筋肉の合成につながります。
プロテインはご指摘の通り、消化の必要があるため素早いアミノ酸濃度を向上させることにはつながりません。
高価なアミノ酸ですが、このタイミングで飲むと何物にも代えられない効果を発揮するので価値があると考えています。
最後にペプチド(ホエイペプチド)は二つの間のような製品です。
ホエイをあらかじめ消化した状態にすることで、プロテインより吸収が速くなります。
一方で完璧に消化されているわけではありませんのでアミノ酸よりは吸収が遅くなります。
トレーニング中やトレーニング後に摂取することで効果を発揮しますが、EAAに比べると筋合成の効果は少なくなると思います。
あらかじめ消化されているため、お腹が弱い方にとってプロテインの代わりに使うということも、有用な摂取方法です。
また特殊な製品でペプトプロというものがあります。
これはカゼインプロテインをペプチド化したものですが、ジペプチド・トリペプチドという消化の必要がない大きさまで分解されていることが特徴です。
ジペプチド・トリペプチドはアミノ酸より吸収速度が速いため、トレーニング中~後の効果がより高いのではないかと期待されています。
個人的にはペプトプロとEAAを混ぜると、ペプチドトランスポーターとアミノ酸トランスポーターの二刀流ができてものすごい速さでアミノ酸濃度が上がるんじゃない?なんて思っています。
いつか人体実験したいと思います。
少し話はそれましたがペプトプロはEAAよりも更に高いです。まだまだ研究の結果が少ないこともあり、EAAで十分だと思います。
③についてですが、ここが決定的に違います。
ホエイプロテインには免疫グロブリン・ラクトフェリンなどのタンパク質も含まれます
また、WPCには強力な抗酸化効果があるグルタチオンを生成する効果も大きいです。
これらを踏まえると、プロテインは単なるタンパク質量の確保にとどまらない健康食品だとも言えます。
トレーニング中以外では最高のタンパク質源といえるでしょう。
ホエイペプチドでは加工過程でこれらの多くが変性や除去されることにより、WPCよりも恩恵を得ることができません。
プロテインはWPCが一番栄養価が高いです。詳しくはこちらの記事で。
アミノ酸では、もちろんこれらの効果は得られません。
最近話題のBCAAとEAAの比較などは、もろに使用用途が被るため比較対象となりえます。
しかし、プロテインとアミノ酸の比較はそもそもできないと考えてよいでしょう。
また、上述したような事実はありますが「トレーニング中にプロテインを飲む」「トレーニング以外のタイミングでアミノ酸を飲む」などの方法を否定するということでもありません。
それぞれの特徴を知ったうえで、自分の環境(経済的・身体的・栄養的etc…)に合わせた摂取をしてください。

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