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ケトジェニックダイエットが運動パフォーマンスに及ぼす影響

こんにちは、ブロッコ侍(@bloc_samurai)です。

最近なにかと話題のケトン体やケトジェニックダイエットというワード。

体のエネルギー源の一つである糖質を大幅にカットすることにより、ケトン体の生成を促し効率よく脂肪を減らしていく方法を「ケトジェニックダイエット」と呼びます。

ではこの「ケトジェニックダイエット」はトレーニーやアスリートなどにも有効なのか?
こんな疑問をパフォーマンスという観点で考察していきたいと思います。

高脂肪食摂取による体の反応

ラットでの実験で4週間の高脂肪食摂取により骨格筋においてミトコンドリアの酵素が増加と脂肪酸酸化能が高まることがわかっています。

簡単にいうと脂肪を多く含む食べ物を摂取することにより、ミトコンドリアが増えていっぱい脂肪がエネルギー源として使われました。ということ。

ヒトに対する研究でも7週間の高脂肪食摂取でミトコンドリアに関わる酵素が発現することもわかっており、高脂肪食摂取によりミトコンドリア量が増加すると考えられます。

一般的にミトコンドリアの量が増えると有酸素的な運動能力が向上するので、高脂肪食は有酸素的運動パフォーマンスを向上させるのでは?と考えられるようになりました。

高脂肪食摂取による運動パフォーマンス

上述の通りミトコンドリアが増加すると、脂肪酸酸化能力が高まり運動パフォーマンスを向上させると考えられます。

ラットに対する動物実験では実際に有酸素的運動パフォーマンスを向上させました。高脂肪食により、筋グリコーゲン量は少なくなっていましたが脂肪からエネルギーを使っていたということです。

貯蔵に限りがあるグリコーゲンより、ほぼ際限なく蓄えられる脂肪をエネルギー源として使えるとパフォーマンスが向上するのも納得です。

しかし

ヒトを対象とする実験では有酸素的パフォーマンスの向上は認められず、高強度運動において運動パフォーマンスを低下させるとの結果となりました。

ミトコンドリアの増加は持久的運動パフォーマンス向上に繋がるはずですが、どうしてこのような結果になったのでしょうか?

運動パフォーマンスが低下した原因は?

解糖系酵素活性の低下

高脂肪・低糖質食では筋グリコーゲン量が低下することにより、運動中の糖質利用が減少します。

また問題は筋グリコーゲン量の低下だけではなく、ピルビン酸脱水素酵素の活性が落ちることです。この酵素は解糖系とクエン酸回路を繋ぐ役割を持ち、この活性が低下することで糖質利用が少なくなります。

糖質が重要なエネルギー源となる高強度運動でパフォーマンスが低下したのも納得ですね。

交感神経の亢進

通常食と比べて高脂肪食では交感神経の活動が亢進します。

エネルギーとして中性脂肪を利用するためアドレナリンがたくさん分泌され、心拍数も上がります。

これにより疲労感を感じやすくなり運動パフォーマンスが低下したと考えられます。

ケトジェニックでの運動パフォーマンスは?

これまで見てきたのは高脂肪食ですが、さらに極端な糖質制限も行うケトン食を実践した場合はどうなるのでしょうか。

エネルギー源として特筆すべきケトン体の特徴

ラットの実験で摘出した心臓をケトン体を加えた溶液で動かすと、糖質のみの溶液で動かしたところ心臓の酸素消費量が約30%低下したというものがあります。

ケトン体が心臓のエネルギー効率を向上させたということです。

実際にケトン体は糖質に比べて非常に優秀なエネルギー基質で、それを表す指標の炭素原子に対する水素原子の比率(H/C比)が非常高いです。

ATPを再合成させる際に、電子伝達系と呼ばれる過程がありますが、クエン酸回路から水素イオンが取り出されATP再合成に使われます。

電子伝達系へ渡される水素イオンがたくさんあればATPの再合成は進むので、H/C比が高いとエネルギー基質として優れているわけですね。

ケトン体の一種であるβヒドロキシ酪酸は、糖質の代謝代謝産物であるピルビン酸の約1.5倍のH/C比となっています。

ケトジェニックの運動パフォーマンスに対する効果はエビデンスは多くない

上述したような質の高いエネルギー基質であるケトン体を利用できれば運動パフォーマンスが劇的に向上するのではないかと考えられますが、現時点では断言できるような状況ではありません。

持久的運動パフォーマンスについては向上するというもの、向上しないか悪化するというもの様々な研究があります。

もちろんエネルギーとしては優秀なわけですが、高脂肪食と同じように交感神経の亢進・解糖系酵素活性の低下などがパフォーマンスを向上させなかった原因として考えられます。

高強度運動パフォーマンスにおいて、ATP再合成を主に担っているのは解糖系です。
一方ケトン体はミトコンドリアにおいてATPを再合成します。

ケトジェニックにより筋グリコーゲンが枯渇した状態では、高強度運動においてATP再合成が追いつかずパフォーマンスが低下すると考えられます。

速筋線維にはミトコンドリアが少なかったですよね。高強度運動ではそもそもケトン体ではエネルギー供給が間に合わないわけです。
思い出したい方は筋繊維の記事をどうぞ。

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ケトン体のサプリメント〜BHB・ケトン体モノエステル〜

優秀エネルギー源であるケトン体を利用したい!でもケトン体を作れるようにするにはグリコーゲンを枯渇させないとダメだというジレンマがあります。

これを解決してくるかもしれないのがこれらのサプリメント。

ケトン体の経口摂取することにより、ケトン食を実践しなくてもケトン体の恩恵を受けられる可能性があります。

実際にケトン体モノエステルを使った研究では、糖質オンリーよりも糖質+ケトン体モノエステルにより運動パフォーマンスが向上しています。

またBHB塩のサプリは現在でも市場に出回っており、私も現役時代愛用していました。

普段サプリメントで大きな体感を得ることは少ないのですが、BHBだけは明確な体感がありました。

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何かと話題なケトン体ダイエット。トレーニーの中でも流行りつつあります。

今回はケトジェニックとパッフォーマンスについて解説していきました。

夢のようなエネルギーではありますが、運動にうまく活用するにはまだまだ方法が確立していません。
(サッカーの長友選手はケトン食で好パフォーマンスを残していますが)

次もケトン体に関わる記事を書こうと思います。お楽しみに!

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ブロッコ侍です。現役アスリートのバルキー男子です。アスリートの観点でボディメイクについての情報を発信します