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冷え性は遺伝?によるとおっしゃっていましたが、筋肉をつけても治らないのですか?

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冷え性は遺伝?によるとおっしゃっていましたが、筋肉をつけても治らないのですか?

ブロッコ侍
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確かに以前の記事で日本人の約20%はUCP1という褐色脂肪細胞にある、熱産生に関わるタンパク質を作ることができないと言及しました。

そのため冷え性が多いのも事実です。

しかし、体内の熱産生の約60%は筋肉が担っているのです。そこから考えると褐色脂肪細胞による熱産生はメインストリームではありません。

UCP1が作られない冷え性の場合、筋トレをするしか改善策はないわけです。

また最近では筋肉中の「サルコリピン」という熱産生に関わるタンパク質も注目されています。

以下、ベースボールマガジン社 「石井直方の筋肉の科学」より引用

筋肉の中には、筋小胞体というカルシウムをため込んでいる組織があります。筋肉が収縮すると、そこからカルシウムが放出され、弛緩するときにカルシウムが戻るという仕組みがあります。サルコリピンは、筋小胞体からカルシウムを外に漏らしてしまう“悪さ”(働き)をするのです。

そうすると、カルシウムをくみ上げるタンパク質(カルシウムポンプ)が活性化され、一生懸命にカルシウムを元に戻そうとします。その際に、ATP(アデノシン三リン酸)が使われ、熱が発生する。この仕組みによって、筋肉が実際に収縮しなくても、カルシウムポンプが働いて熱が生み出されるという現象が起こっているようです。

これはネズミを使った次のような実験で実証されました。正常なネズミと、サルコリピンを作る遺伝子を壊してしまうことでサルコリピンが作れない状態にした(サルコリピンをノックアウトした)ネズミの2種類を、気温4℃の部屋に入れ、サーモグラフィーで身体の温度を観察していきます。すると、正常なネズミは数十分から1時間たっても熱を出していました。身体の表面は冷えるのですが、しっかり身体のコアの温度を維持しています。一方、サルコリピンをノックアウトしたネズミは、どんどん身体のコアの温度が冷えていき、動かなくなってしまうのです。

筋肉の量は全く同じ。ただ、サルコリピンが作れるか作れないかの違いだけで、片方は体温生産の極度に低い、“冷え性”のネズミになってしまうわけです。

褐色脂肪細胞が働いていてもサルコリピンをノックアウトさせた状態では体温の維持ができないようで、熱産生においてはかなり有力な物質といえそうです。

サルコリピンは筋肉内にあり、筋肉量が増えるとその量も増えると考えられます。

やはり筋トレをして筋肉をつけると冷え性改善につながると推定できますね。

筋肉をつけると基礎代謝が増えるのは、筋肉を維持するエネルギーよりもこのような熱産生が増えることのほうが大きな要因かもしれません。

自分は気づいたら平熱が37.2℃になっていました。様々な要因があるのでしょうが、筋肉量の増加による熱産生の影響は大きいと思います。

このくらいの体温なら癌もできにくいんですって。

石井直方先生の本は非常にオススメです。
こんなにわかりやすくまとめてくれている本は他にありません。


石井直方 筋肉の科学

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ブロッコ侍です。現役アスリートのバルキー男子です。アスリートの観点でボディメイクについての情報を発信します